2009年02月22日

「ムショ飯」食べてプリズンダイエット

福島刑務所に学ぶ高繊維食健康法

ライター 臣永正廣


◆受刑者の高齢化

早朝6時40分。まだ薄暗く、冷え込んだ福島刑務所(福島市)の塀の中に、

「キショーッ(起床)」

という刑務官の号令が響きわたる。7時10分朝食、7時40分作業開始、正午昼食、午後4時40分終業、5時夕食、9時就寝......。ここで約1300人の受刑者が、分刻みの規則正しい生活を送っている。

全国の刑務所に収容中の受刑者は約7万人。定員オーバーで過密状態の刑務所も多い。高齢者、女性、外国人の受刑者も目立つようになった。

高齢化にともない、福島刑務所でも受刑者の約半数が何らかの薬を服用している。国民病の代表格、糖尿病の患者もいる。

◆糖尿病薬は半数が中止

福島刑務所医務課の日向正光医師(37)=現在は福島県内の病院に勤務=は、服役中の糖尿病患者の血糖値に著しい改善が見られることに気づいた。

日向医師は、1998年1月から2004年12月までの7年間に服役していた受刑者のうち、糖尿病(2型)患者を洗い出し、過去にさかのぼって治療経過を調べた。その結果、109人の患者のうち、インスリン注射をしていた18人中5人が注射をやめていた。内服薬使用の34人も、うち半分の17人は投薬を中止でき、残り半分も4人は投薬量を減らせていたのである。

◆水溶性食物繊維は5倍

受刑者と日常的に接していた日向医師は、刑務所の食事と規則正しい生活が効果的だったのではないか、と推測する。

「刑務所の食事に含まれる食物繊維は一般人の2倍で、とくに大麦に多く含まれる水溶性食物繊維については5倍という高数値です。副食類も野菜類、豆類、きのこ類、海藻類などの高食物繊維食となっており、それらが糖の吸収を緩やかにすることで、糖尿病の改善につながったと思われます。週40時間の作業労働、タイムスケジュールにきちんと沿った暮らしも、当然いい影響を及ぼしているでしょう」

禁酒、禁煙はいうまでもなく、菓子類などの間食にも制限があり、飽食やジャンクフードとも無縁だ。

ならばと、ちょいメタボなおやじ記者(54)が1カ月間の期間限定ながら刑務所的生活にチャレンジしてみることになったーー。

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