2009年04月05日

モーグル里谷32歳の再出発

5度目の五輪へ元女王の粘り

編集部 古川雅子


◆ベテランの里谷多英

モーグル女子のシーズンが幕を閉じた。

ベテランの里谷多英(32)は、長いブランクを経て本格復帰し、表彰台にも上がった。「まだまだやれるじゃないか」と思わせてくれた。

◆ふがいない滑りで奮起

1998年の長野五輪で、冬季では日本人女子初の金、2002年のソルトレークで銅と、2大会連続でメダルを獲得。「五輪の申し子」と言われた。

「転落の階段」も急勾配だった。05年春に離婚、泥酔騒動が週刊誌で報じられるや、首や腰を相次ぎ故障。戦績をあげられないまま臨んだ06年のトリノ五輪は、決勝にこそ残ったものの精彩を欠き、15位に沈んだ。モーグルへの情熱が完全に冷め、競技から遠ざかった。

2年間の空白を経て、昨年2月のW杯猪苗代大会に出場した。頭の中には、引退の二文字があった。結果は14位。成績以上に、悔しさがこみ上げた。

「こんなふがいない滑りで選手生活を終えていいのか......」

引退か、現役続行か。幼いころから可愛がってくれた先輩に迷いをぶつけると、「おまえ、今まで本気で頑張ったことがある?」とハッパをかけられた。「バンクーバーまでやろう」。闘争心に火がつき、気持ちは一気に五輪へと切り替わった。2週間みっちり練習し、翌月の全日本選手権で12年ぶりの優勝を果たした。下り階段を、自力で上りへと転じさせた。

この後のオフシーズンには、新しい体験もした。代表落ちして海外遠征組と離れ、全日本ジュニアの合宿(春と秋に長野県白馬村で開催)に参加。10代の競技者たちに交ざって「ゼロから」自分を見つめ直した。

◆「引退」かけW杯代表に

シーズン前、里谷には焦りがあったーー。

バックナンバー

アエラ最新号

2012年2月13日号

2012年2月13日号

最新号キーワード

食の信念が揺らぐ 銀行窓販保険の魅力と危険 早慶女子「一般職がいい」 女心の複雑 「脱東電」で電気代26%節約 「驚異の儲け」グリーよ どこへ行く 絢香インタビュー 荻原博子の石巻ルポ 今年の花粉症 AKB48「恋愛で脱退」のルールと戦略 

2012年2月13日号
定価:380円(税込)
表紙:松田翔太/俳優

雑誌を購入

デジタル雑誌を購入

から検索
から検索