2009年04月19日

大学進学「高い県 低い県」

進学格差は希望格差から

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編集部 澤田晃宏、迫 和義(写真)


◆なぜか、大学進学率が低い秋田県

07年から始まった全国学力テスト。秋田は小学生では2年続けて全国1位。中学生は07年に全国3位、08年には全国2位。高い学力に注目が集まった。

ところが、専門学校や短期大学などを含む大学等進学率は全国平均を約10ポイント下回る43%、4年制大学に絞ると30%強。都道府県別で40位だ。07年度の東大合格者数は東北6県で最も少ない8人。東北大合格者数も、東北勢が上位5位を占めるなか、秋田は10位に留まる。

本誌3月16日号でも報じたとおり、秋田の小中学生の高い学力を支えているのは、きめ細かい少人数教育だ。そのため下位層は薄く、中間層が厚い。結果として平均点は高くなる。

だが、学年の進級とともに、学力が伸びなくなっている。

原因は何なのか。

秋田ではまだ「高校浪人」をする生徒がわずかだがいる。高校受験熱は高いが、大学進学の風土が薄い。親世代に大卒者が少なく、高校受験が県民最大の関心事----。現地でそんな言葉をよく聞いた。

今春から秋田市内のガス会社に就職したレイジさん(18)は、大学のイメージを、

「まだ遊びたい人が行く場所」

と話す。大学を卒業した大人のイメージは、

「スーツを着る仕事をする人」

レイジさんが特別なわけではない。県内の若者十数人と話したが、彼らが持つ大学生活のイメージは希薄だった。

◆進学率と県民所得の相関関係
 
進学率と経済的な要素は密接に関係している。1人当たりの県民所得上位10県のうち5県が、4年制大学進学率でも上位10県に入る。

ラ・サールという全国屈指の進学校がありながら、4年制大学進学率は全国で最も低い鹿児島県。高卒後の就職率は全国平均を大きく上回る。

就職率100%を誇る鹿児島工業高校では、7割の生徒が県外に就職する。担当者は、

「大学に進学できる学力があっても、トップ層は進学しない。推薦枠を使って、大手企業に就職する。大学を出たからといって、就職が保証されるわけではありませんから」

雇用問題、進学モチベーション......東北や九州など進学率が低い県では同じ課題を抱えている。それは本来進学熱が高いはずの高偏差値校でも、程度の差はあれ変わらない。

◆福井県の成功パターン

  おしなべて大学進学率が低い地方で、健闘しているのが福井だ。学力テストでも順位が高い。秋田との共通点は多いが、進学率は大きく違う。

福井県の貯蓄率、共働き率は全国トップ。就業率も全国平均を大きく上回る。経済的な要因もあるだろう。

また福井県では完全学校5日制移行後も、早い段階から授業時間数の確保に取り組んだ。普通科の進学校の多くで、0時間目~7時間目の授業があり、予備校講師の活用も05年から始まった。

「学校が塾もやっている」

そんな表現をする人が多い。

しかし、こうした地方の取り組みは、逆に格差を広げる危険性もはらんでいるーー。


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