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マルキューは毎日が体育祭
店員発の商品開発力と競争力
編集部 土屋 亮 写真 編集部・時津 剛
◆東大生、109に学ぶ
「"マルキュー"の徹底した顧客指向」
5月18日夕刻、そんな授業が、東京大学駒場キャンパスであった。講師の木村達央さん(60)は、女性向け人気ブランド「セシルマクビー」を展開するジャパンイマジネーションの社長。セシルは東京・渋谷のファッションビル「SHIBUYA109」に入る約120テナント中、最高の売り上げを誇る。
「うちの社員の多くは、かつて顧客名簿の上位にいた人。お客さんに近い感性を持っている。どんなものを客が欲しがっているか、よくわかるんです」
◆13年で売り上げ倍増
モノが売れない時代にもかかわらず、109は売り上げをコツコツ伸ばし、この13年で2倍になった。2008年度の売上高は過去最高の286億円。全国の百貨店の平均を20億円以上も上回る。
10~20代の女性向けアパレル店が大半を占める109だが、元々は特定の年代、性別に偏らない全方位型テナントビルだった。着物、紳士服、CD、スポーツ用品など何でもあり。90年代前半は少子化を見越して、中高年向け商品を強化していた。
ところが、バブルがはじけ、客足は急速に遠のく。95年には開業当初並みの141億円にまで落ち込んだ。
「じり貧になって賭けに出た」
東急電鉄子会社の執行役員で渋谷109総支配人の相馬邦夫さん(55)が振り返る。
当時、地下1階にだけは客が流れていた。露出の多いセクシーな服を扱うアパレルショップが集まっていた。思い切って3階にも同じような店を増やしてみたところ、売り上げが回復。一気に方向転換を決めた。
◆販売員の意見を反映して競争力に
「あの子たちが欲しがるものを並べてくれればいい」
急な方向転換に戸惑う木村さんに当時の東急幹部はそう言って、店の外を歩く女子高生を指さした。セシルマクビーも当時は、山の手のお嬢さん向けの洋服を扱っていた。抵抗はなかったのだろうか。木村さんは、淡々と言った。
「僕はこだわりが薄いんでしょうね。仏教じゃないけど『空』の境地といったらいいのかな」
同社には服飾デザイナーがいない。店頭に立つ販売員の「これが売れそう」という意見が商品に反映される、完全なボトムアップ企業だ。商品供給を川の流れに例えれば、消費者のすぐそばにいる川下(販売)から川上(企画・製造)へ。109の多くのテナントでは、この「逆流」が確立されている----。

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