2009年06月21日

中小企業女子の笑えない苦悩

こっそり給与カット、トイレは男女共用…

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編集部 古川雅子、斉藤真紀子 写真 今村拓馬


◆こっそり給与カット

この春、10人弱のスタッフしかいないサービス会社が修羅場と化した。きっかけは、事務室でアルバイトの女性がもらしたひとことだった。

「どうもおかしいんですよ。今年に入って、時給換算で100円分は安くなっているんです」

入社10年のベテラン社員のカオリさん(50)も、自分の明細を確認してびっくり。微妙な額だが、やっぱり少なかった。業務に携わる女性全員の給料が減額されていた。

有名大学卒で大手金融での勤務経験もある社長は、60代半ば。ボケたわけでもあるまい。

仕事はしていないが肩書上は「主任」である社長の奥さんを通じて問い合わせると、別フロアに個室を構える社長から「業務連絡」と題して一斉メールが入った。

「時節柄、業績も落ち込んでおり、今月から全員分の給料をカットさせていただきました」

さらに交通機関の遅延証明書を提出していた人が、全員遅刻扱いになっていたことが発覚。雇用契約書が存在しないならば、せめて雇用条件を一つずつ確認しておいたほうがよさそうだという話になった。

そこでカオリさんとは別の女性社員が代表となり、事務室に社長を呼んだ。その女性が質問内容を羅列した書面を読み上げるや否や、社長は真っ赤な顔で怒り出した。

「これはクーデターだ! 私を陥れる陰謀ですか?」

結局、雇用条件は何一つとして確認できなかった。

◆クビで結構と捨て台詞

翌朝から「犯人捜し」が始まった。パソコンのメールを読まれ、私語は禁止に。数日間、一人ずつ社長室に呼ばれて、

「おまえが首謀者か?」

と詰問された。

「こんな会社、見たことないですよ。クビで結構!」

と捨て台詞を吐いて辞めたバイトの女性に続き、3月末までに主任の奥さん以外、全員が退職した。

厚生労働省によると、女性の月額賃金(2008年、非正規雇用を含む)は、大企業(常用労働者1000人以上)の平均が25万1000円なのに対し、中企業(同100~999人)が22万5400円(大企業の90%)、小企業(同10~99人)が20万7700円(同83%)と格差は明白だ。「100年に一度」の大不況が、そうした格差に拍車をかける----。

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