2009年07月05日

うつ社員切り始まった「不況便乗」で休職復帰時を狙い撃ち

「不況便乗」で休職復帰時を狙い撃ち

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編集部 古川雅子 写真 高井正彦


◆休職して復帰すると契約社員に

タイミングは最悪だった。

IT企業に勤めるUさん(37、男性)が、うつ病で1カ月間休職し、復帰した昨年9月。会社はちょうどそのころ、事業縮小と経営統合に揺れていた。

復帰した日、社長と役員との面談でこう切り出された。

「あなたが休んでいたこの1カ月で会社の事情が変わってしまった。申し訳ないが......」

提示された内容に愕然とした。賃金をUさんが入社した当時の水準に減額。身分も社員から契約社員に変更するという。

何より気力を萎えさせたのは、

「業務は従来通り」

という通告だった。人が足りないのが理由だ。休職前に「配置換えをして業務量を減らす」と言っていた総務担当者の言葉は口約束に過ぎなかった。

制作業務をしながら、派遣やバイトなどさまざまな雇用体系の若手数十名を束ねる人材管理も兼任していた。役員を除いて唯一の管理職扱い。いわば「一人マネジャー」だった。

うつ病を発症してからは不眠が続き、電車にも乗れず、何度も自殺願望に駆られた。

「あの生活に戻れば、またつぶれる......」

恐怖感からほとんど思考停止に陥り、何を言われても、

「はい」

と機械的に返事をしていた。結局、契約切れとともに年初に退職した。

「契約が切れれば『この仕事から逃げられて助かる』とさえ考えてしまった。不況とはいえ、復職時を狙い撃ちするようなやり方は、理不尽です」(Uさん)

正社員のリストラが加速するなか、うつ病を抱えながら働く人を解雇したり、自己都合退職に追い込む「うつ切り」が横行している。

この春、人事コンサル会社「ベクトル」(千代田区)が、ある大企業からリストラによる再就職支援を請け負った。対象者100人のうち、5割が休職明けや通院中のメンタル不調者。その会社は500人を超すリストラを進めていた----。

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