2009年07月17日

「勝ち組連合」の危機感

キリンとサントリー「平成の薩長同盟」計画

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編集部 太田匡彦 写真 高井正彦


◆アエラ誌面で合併の兆し

そのころすでに、2人のトップは水面下で意気投合していたのかもしれない。

国内食品業界で最大手のキリンホールディングスの加藤壹康社長と、2位サントリーホールディングスの佐治信忠社長。2人は今年初め、アエラ誌上で異口同音に海外戦略の重要性を語っていた。

「我々の場合、数年前から国内は厳しいという認識を持っています。国内が売り上げと利益の源泉であることに変わりはないですが、海外への事業展開を積極化し、将来に備えていくことが重要です。伸びている市場に照準を合わせて、海外でチャンスを取っていく。危機だからこそ、進むべき道に積極的に展開していこうと考えています」

1月12日号の「100人の予言」に登場した際、取材にそう語ったのは、キリンの加藤社長だ。一方、2月23日号の表紙を飾ったサントリーの佐治社長も、インタビューでこう述べている。

「グローバルでどう大きくなるか考えていかないといけない。これから2、3年で海外売上高をいまの2倍以上となる5000億円まで増やし、グループの連結売上高2兆円という体制を目指していく。そのためにも、海外でのM&A戦略による拡大が、これからの大きな課題でしょうな」

7月13日、キリンとサントリーの経営統合交渉が明らかになった。実現すれば歴史的な「握手」になるのは間違いない。

2008年以降、2社はアルミ缶の規格の共有や段ボール紙の共同調達などを行ってきており、一部地域で清涼飲料の共同配送なども始めていた。

サントリー関係者は言う。

「これまでゆるやかな流れとして、資材の共同調達や物流の提携などをやってきました。そこでいろんな話をしてきましたから、佐治と加藤さんが話をする機会は多かったと思います」

両トップが手を握る素地は十分にあったというわけだ。

◆国内市場は飽和

国内市場の飽和は明らかだ。両社の主力事業であるビール系飲料の出荷量(課税ベース)は08年まで4年連続で前年割れが続いている。そんな環境下で08年12月期、過去最高益をあげた両社だからこそ、次の手に打って出なければいけなかった。

両社はここ数年、加藤、佐治両社長の陣頭指揮の下、それぞれオーストラリアやニュージーランドなどオセアニア地域、フィリピンや中国などアジア地域で積極的にM&A(合併・買収)を手がけ、海外での収益基盤確立に動いてきた。だがさらなる成長戦略のためには、「強者連合」が必要との判断がなされたようだ。。。

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