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昭和妻は3度破綻する
高度成長期の遺産は生き続ける
編集部 山下 努
◆リバイバル昭和妻
ついに手に入れたわが家、のはずだった。駅から遠いが、4LDKの100平方メートル超。ささやかだが、庭もある。
だが内心、「大変なことになったぞ」と思った。
東京・練馬に住むイサオさん(35)はこの7月、妻(38)の願いを聞き入れて、一戸建ての住宅を買った。
産後の疲れからうつ状態だった妻に明るい表情が戻ったのと引き換えの、3千万円超のローン。夢を支えた妻の所有欲は、債務の塊に転化した。
日本が人類史上まれな高度経済成長を遂げ、「明日はもっと豊かになる」という"神話"があったその昔。1960年代から70年代に結婚した女性の多くは専業主婦になった。夫は正社員で賃下げやリストラを知らず。先頭集団は、退職金を満額もらって定年して悠々自適。そんな世代の妻を「昭和妻」と呼ぼう。
消費が増え続ける昭和妻は、経済が右肩上がりだった時代の「遺産」のはずだった。だが、イサオさん妻のように、「専業主婦+子ども+マイホーム」という昭和妻は、いまの30、40代でも健在だ。
◆あなたが家計のリスク
『持たない暮らし』の著者、金子由起子さん(44)は、物欲に任せて買った品々を家に並べることで近所との「幸せ競争」に明け暮れる昭和妻たちを見てきた。
「豊かで満ちたりた自分を見せるため、夫の給与でステキな品々を買い集めることが幸せという考え方。広い家を買っても家中が中途半端な物であふれ、お金が底をついて途方に暮れる」
夫たちが職場で「お前にいくら払えるのか」と「時価」を問われ、昨年来の大不況で正社員ですら雇用が不安定化しているのに、なぜ妻たちは気づかないのか。
ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは指摘する。自分が稼いでいないので景気や先行きを「体感」できず、会社や世の中のおカネの仕組みが様変わりしたことを認めない昭和妻たちの基本姿勢は、「この先も何とかなるだろう」だーー。

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