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日本一小さなプロクラブに参じた現代版「七人の侍」
日光アイスバックスを包む愛と友情
編集部 伊東武彦 写真 小内慎司
◆平均年棒200万円弱
小さなプレハブが、川岸の夏草の中にあった。地元の建設会社に、月3万円で借りている。
「おいでよ!とちぎ 世界遺産の街 日光」
そう書かれた看板だけでは、誰もプロスポーツクラブの事務所とは思わないだろう。選手らの平均年俸は、200万円弱。日光アイスバックス、通称バックスは、日本一小さなプロクラブである。
◆厳しくなった視線
7月23日、宇都宮市内でバックスの新入団選手の記者発表があった。昨シーズン限りで廃部になった元SEIBUプリンスラビッツの6人がいた。いずれも日本のトップクラスの選手たちだ。彼らは年俸が大幅に減ってもバックスを選んだ。
古河電工アイスホッケー部の廃部を受けて誕生してから10年目の昨シーズン、バックスは36試合で7勝しかできず、最下位に沈んだ。
この10年、スポンサーや個人会員に支えられて、経営危機を乗り越えてきた。遠征費が工面できない時は、ファンから募金が集まった。しかし、セルジオ越後らを経営陣に新運営会社を立ち上げたここ数年、成績は低下し、シャッターを閉める商店も増える日光市民の視線は、厳しくなっていた。
◆夢だけじゃだめなのか
シーズン終了後、選手たちは経営陣に口々に訴えた。
「未払いの給料がないと、里帰りもできない」
「バックスでやりたいけど、このままでは移籍するしかない」
負債は1億を超え、未払い金も7500万円ある。これ以上の傷は負えない。
選手たちの目から、光が消えかけた。やはり、夢だけでは立ちゆかないのか──。
立ち上がったのは、古河時代からの生え抜き選手のDF村井忠寛だった。長年のプレーで満身創痍だった。引退を決め、再就職も考えた。そこに前監督が退任し、監督のオファーを受けた。
若手選手たちへの不満はあった。自主性に任せるという前監督の方針をいいことに、体作りを怠る選手がいた。確かに、練習環境は恵まれていない。しかし、それを言い訳にしていないか。アイスホッケーができることだけで満足していないか。負の歴史を断ち切ろうと決めたーー。

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