2009年08月09日

壊れる心と体 最低賃金で1カ月暮らす

1食300円、体重4キロ減。

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編集部 澤田晃宏


◆最低賃金を実体験

初日、家を失った。

6月23日から1カ月間を目標に、最低賃金で生活をした。貯蓄ゼロ、非正規労働者という条件だ。東京都の最低賃金は時給766円。労働基準法に準じ週40時間、月22日働いたとして、月収13万4816円。年収にすると、161万7792円。

そこから税金や社会保険料が引かれる。都内区役所に目安を聞いた。住民税6万3500円(年額)、国民健康保険9万6890円(年額)、国民年金一律1万4660円(月額)。所得税を合計すると、税金関係だけで月に約3万5000円。携帯代を月1万円と安く見積もっても、約9万円しか残らない。

不動産サイトで家賃相場を調べた。ワンルームが最も安い葛飾区でも5万5000円。都心から離れれば家賃は下がるが、交通費がかかる。そもそも、敷金・礼金などの初期費用、生活用品を買い揃える余裕はない。

選択肢は、限られる。

調べた結果、都内にある月3万5000円(光熱費込み)のゲストハウスに決めた。ここなら、電子レンジなども共有部に揃っている。初期費用もいらない。住民票も置ける。

部屋は1階にあった。といっても、一部屋に4人で住むドミトリー部屋。扉を開けると、汗のすっぱい臭いがした。冷房を24時間かけっぱなしのせいか、乾いた空気がより鼻につく。

いまや働く人間の3人に1人が非正規雇用で、2割が年収200万円以下だ。

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の調べでは、20〜29歳男女の2割が「貯金ゼロ」。「25万円未満」も合わせると全体の約4割に上る。

最低賃金では貯蓄など夢のまた夢。ある程度の貯金がなければ、一人暮らしすらできない。

◆ぺヤングなんて贅沢

街の風景も変わった。

800円台の定食メニューが並ぶ店はもちろん、牛丼チェーン店も目に入らない。

記者は愛煙家で、煙草代と交通費などを引き、1食の目安は300円に設定した。自炊能力はほぼゼロなので、コンビニ食が中心にならざるを得ない。とにかく空腹を満たす食べ方を考えた。

「ぺヤング(カップやきそば)食べるなんて、贅沢」

貧乏暮らしをする友人に相談すると、そう突き放されたーー。

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