2009年08月31日

戦後初の「理系脳」専門は問題解決学

「数学家首相」誕生

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編集部 内村直之


◆数学家首相の「問題解決学」

「10人の女性と順番にお見合いする。その中で一番すばらしい人にプロポーズする確率を最大にしたい。どうしたらいいか」

鳩山由紀夫が、客員教授を務める同志社大学の特別講義でよくする話だ。答えは、

「3人目までは見送って4人目以後これが一番という人にプロポーズすればいい」

というもの。最初の人で決めれば1割、最後の人まで待つとするとやはり1割の確率でしか、最高の人と出会えない。実はその間に「行動に踏み切る最少の人数」があって、この場合、3人見送れば、ほぼ4割の確率で10人中1番の人に結婚を申し込める、という。

これは、由紀夫の思考法の原点である、OR(オペレーションズ・リサーチ)、いわゆる「問題解決学」的思考法だ。

日本の政治史上、由紀夫ほどの「理系脳」が首相を務めたことはない。中央工学校卒の田中角栄、水産講習所卒の鈴木善幸も理・技術系といえないことはないが、その政治思考は由紀夫ほど「数学的」ではない。それはこんなエピソードでもわかる。

◆「新幹線も数学のおかげ」

大蔵省の官僚だった鳩山由紀夫の父、威一郎は大学で応用数学を学んだ由紀夫を捕まえて、こんな議論をしたという。

威一郎「数学って世の中のためになったためしがあるのかい?」
由紀夫「冗談じゃないよ、新幹線が走るのも(数学のおかげだし)、この世の中で数学なしでまともに動いているものはない」
(2005年7月、同志社大学での特別講演「生活の中における情報と意思決定」より)

由紀夫はこのとき、まだ政治の世界に入っていない。幼少時から政治家を目指した弟の邦夫と異なり、「政治家は嫌いだ、学者になりたい」と思っていたという。しかし政治家への転身。1986年、総選挙に初当選したころから「政治を科学する」というフレーズを口にするようになる。

由紀夫は、都立小石川高校から東京大学に入学、工学部計数工学科数理工学コースで学んだ。その後、東大の大学院には進まず、国外留学を選んだ。米国カリフォルニア州の名門スタンフォード大で、当初は、電気工学を学んでいたというが、そこでめぐり合ったのが、当時、新しい分野だったORだ----。

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