2009年09月18日

鳩山首相「理系的天皇観」

封印された女帝論

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編集部 田村栄治、木村恵子


◆実利的な伝統主義者

「友愛」という理念を掲げ、自由、平等、人権を尊ぶ鳩山新首相の政治姿勢は、「リベラル」と評される。それは民主党のイメージとも重なり、過酷な競争と苦しい生活にくたびれた国民は、雪崩をうつように同党に将来を託した。

鳩山や民主党はリベラルなのか。目を凝らすと、意外なほど保守的な面が見えてくる。

それがよくわかるのが、天皇制をめぐる問題だ。

鳩山は女性天皇に賛成だ。憲法で女性にも皇位を認めるよう、自著『新憲法試案〜尊厳ある日本を創る』(2005年)で主張している。この姿勢からは、男性と女性を同じ地平でみるリベラルな視点がうかがえる。

しかし、本質は違う、と憲法試案の作成にあたって鳩山と議論した、民主党議員の中島政希は話す。

「鳩山さんは男女平等主義者ですが、天皇制まで同じ文脈で捉えようとはしていない。女帝容認は、あくまで皇統の維持が目的。天皇制を重視するのは、伝統が培った現実が有効に機能しているのなら、なるべくそれを維持したいと考えるから。彼はイデオロギー的ではなく、プラグマティック(実利的)な伝統主義者なんです」

◆天皇は政治的安定の礎

鳩山は「女性天皇」には賛成だが、「女系天皇」には消極的だ。ピンチヒッターとして一時的に女性が天皇になるのはいいが、その女性天皇が皇族の血を引かない配偶者との間にもうけた子(女系)が皇位を受け継ぐことは認めない。

「男の子がいる場合は、男の子が(皇位を)ついだ方が天皇家が安泰ではないか」という発言もしている。皇室については、あくまでも「男子優先」の発想だ。

さらに意外なのは、天皇制を「文化の拠り所であるとともに、政治的安定の基礎であると積極的に評価している」としたうえで、「天皇を元首に」という保守派の論客もためらうほどの大胆な主張を、『憲法試案』で展開していることだ。

だが、前出の中島は、これもプラグマティックに天皇制を評価した結果だと説明する。

「天皇は実際、権力は持たない元首という役割を担ってきた。憲法に規定しないことでイデオロギー論争の種になるのだったら、規定したほうが実利にかなうという考え方でしょう」

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