2009年10月25日

進学校の逆襲揺れる「公立派」

公立中高一貫校「人気の裏側」 [上]

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ライター 金子裕美、柿崎明子


◆都立トップ高校も意識

この夏、東京都立西高校(杉並区)が開いた小学生とその保護者対象の学校見学会には、3回で計400人余りの親子が集まった。

西といえば、東大に今春15人が合格するなど、都立トップレベルの進学指導重点校。部活動も活発で、多くの運動部が都大会で上位に進出している。西が掲げる「文武二道」に魅力を感じて門を敲く生徒も多い。

そんな西が、なぜ中学生ではなく小学生とその親を対象とする見学会を開いたのか。その理由を石井杉生校長はこう語る。

「もちろん中高一貫校を意識しているからですよ」

西の生徒の多くは、山の手の杉並区とその隣接地域から通学している。そこは都立中高一貫校の「密集地帯」になりつつある。来春、新たに開校する4校のうち3校が通学圏内にあるのだ。母体となる富士高校(中野区)、大泉高校(練馬区)、三鷹高校(三鷹市)は、大学進学実績こそ西には及ばないが、いずれも地元では人気がある。

「うちのエネルギーは生徒一人ひとりが持っている『西で何かをやってみたい』という気持ち。それは勉強に限ったことではありません。部活動でも行事でもいい。公立中で頑張れば、こんな高校が待っているということを知って、中学校での3年間を有意義に過ごしてほしい」

と石井校長はエールを送る。

◆「倍率10倍」に尻込み

だが、説明会に集まった親たちの心は揺れていた。

都下在住の女性は、中2と小6の2人の男の子の母親だ。進学指導重点校の西は魅力的だが、

「合格するにはどれくらい勉強が必要なんだろう。塾通いも必要なんだろうな。そう考えると、面倒見のいい私立の中高一貫校に入れて、学校で見てもらったほうがいいのかなとも......」

小6の娘を持つ杉並区の女性は、近くの都立高校が中高一貫校になると聞き、学校見学に足を運ぶようになった。地元の公立中は悪くないが、規模が小さく、人間関係が気になるという。

「文化部系の女の子が安心して通える学校を探すのは意外と難しいんです。都立中高一貫校は『頑張っているな』という印象でしたが、中学はよくても高校はわからない。倍率が10倍を超えるという噂を聞いて、どうしようかなと......判断が難しい」

と、ため息をついた----。

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