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死刑スピード執行の謎
西の「足利事件」なのか
編集部 田村栄治
◆裁判からたった2年で死刑執行
慌てた印象の死刑執行だった。
昨年10月28日朝。福岡拘置所で、久間三千年死刑囚(当時70)が刑場の露と消えた。福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」(1992年)の犯人とされた。
裁判で死刑が確定してから2年余り。昨年までの10年間では、死刑の確定から執行まで平均6年7カ月の時間が置かれている。近年は3年以内の執行が増えているが、犯行を認めた場合ばかり。無実を訴える死刑囚の執行としては、異例の早さだ。
最も慎重であるべき刑を急いで執り行ったようにみえるのは、これだけが原因ではない。
執行の1週間前、ひとつのニュースが注目を集めた。4歳女児が殺害された「足利事件」(90年)の再審請求で、犯人とされた菅家利和さん(63)のDNA型が、再鑑定される見通しとなったのだった。
再鑑定になれば、遺留物と型が一致せず、菅家さんの再審無罪につながる。事件当時の旧式の鑑定は当てにならない。そんな見方が有力だった。
その「当てにならない」DNA型鑑定が、久間死刑囚についても有罪の大きな証拠になっていた。足利事件で再鑑定が実施され再審になれば、飯塚事件でも──。そんな「不安」が関係者の頭をよぎったとしても、不思議ではない。

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