2009年12月18日

死刑スピード執行の謎

西の「足利事件」なのか

20091228_s_4.jpg
編集部 田村栄治


◆裁判からたった2年で死刑執行

慌てた印象の死刑執行だった。

昨年10月28日朝。福岡拘置所で、久間三千年死刑囚(当時70)が刑場の露と消えた。福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」(1992年)の犯人とされた。

裁判で死刑が確定してから2年余り。昨年までの10年間では、死刑の確定から執行まで平均6年7カ月の時間が置かれている。近年は3年以内の執行が増えているが、犯行を認めた場合ばかり。無実を訴える死刑囚の執行としては、異例の早さだ。

最も慎重であるべき刑を急いで執り行ったようにみえるのは、これだけが原因ではない。

執行の1週間前、ひとつのニュースが注目を集めた。4歳女児が殺害された「足利事件」(90年)の再審請求で、犯人とされた菅家利和さん(63)のDNA型が、再鑑定される見通しとなったのだった。

再鑑定になれば、遺留物と型が一致せず、菅家さんの再審無罪につながる。事件当時の旧式の鑑定は当てにならない。そんな見方が有力だった。

その「当てにならない」DNA型鑑定が、久間死刑囚についても有罪の大きな証拠になっていた。足利事件で再鑑定が実施され再審になれば、飯塚事件でも──。そんな「不安」が関係者の頭をよぎったとしても、不思議ではない。

バックナンバー

アエラ最新号

2012年2月13日号

2012年2月13日号

最新号キーワード

食の信念が揺らぐ 銀行窓販保険の魅力と危険 早慶女子「一般職がいい」 女心の複雑 「脱東電」で電気代26%節約 「驚異の儲け」グリーよ どこへ行く 絢香インタビュー 荻原博子の石巻ルポ 今年の花粉症 AKB48「恋愛で脱退」のルールと戦略 

2012年2月13日号
定価:380円(税込)
表紙:松田翔太/俳優

雑誌を購入

デジタル雑誌を購入

から検索
から検索