2010年03月07日

企業が狙うツイッター・マネー

昨年末急増した本当の理由

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編集部 井上和典 写真・CG 高井正彦


東京都内で生花店を営む40代の女性は5年ほど前、売り上げが伸び悩んでいることを同業者の知人に相談した。すると、頻繁にこうアドバイスされた。

「インターネットで販売してみれば?」

助言を受けた知人は親身に教えてはくれるものの、コンピューター用語の意味がわからず困り果てていた。

そこで、当時、テレビドラマの話題を知るのによく使っていた「2ちゃんねる」で、こう質問してみた。

「どうやったらオンライン販売ができるようになるか、教えてください」

書き込むのは初めてだった。

2日後にようやくレス(返信コメント)が付いた。アドバイスが詳しく書かれていた。うれしさのあまり、さらに複数の質問を書き込んだ。

すると、数日後、こんなレスが付いた。

「そんなこと、自分で調べろ」

強い口調だった。

「嫌だなと感じたコメントは、たった四つ五つでしたが、それだけでも、すごい勢いで責められているような感覚になってしまって......。」

「ミクシィ」がはやったと聞けば、店舗の情報を書き込んだ。しかし、更新する時間が膨大で、いつしかサイトを開かなくなっていた。

女性はいま、ツイッターを始めようとしている。

「飽きっぽい性格がダメなのはわかってるけど、それとなく宣伝するくらいはできるかな、と思える手軽さがあります」

◆孫氏の「硬軟」作戦

「実名で今日からつぶやく事にしました」

書き込み日時は2009年12月24日。アイコンの顔写真は紛れもなくソフトバンク孫正義社長。

それ以降というもの、書き込まれる内容は、紅白歌合戦やNHK大河ドラマ「龍馬伝」といった、親しみがあり話題性の高い内容が多く並んだ。その流れもあって、フォロワー(つぶやきを常に見ようとする人たち)数を一気に増やした。

タイミングを見計らっては、今後30年の企業ビジョンディスカッションや、動画配信サイトを使った決算説明会のライブ配信、といったソフトバンクの「戦略」とも思えるイベントを書き込む。決算説明会での書き込み(ツイート)は2時間で1万1千件を超えた。

ツイッターを使い、公と私、硬軟を使い分けた。したたかとも思えるメディア戦略だった。

孫氏をはじめ、大物経済界の面々、政治家の参入が相次いだことがツイッター利用者急増の原因になったことは間違いない。

さらに、ツイッターは、2ちゃんねるなどとは大きく違う点がある。企業が実名で、コメントを出していることだ。企業が集まってくる理由は何なのかーー。

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