2010年03月19日

社会主義化するニッポン経済

郵政も道路も「逆民営化」、「ばらまき」復活

20100329_s_1.jpg
編集部 山下 努 写真 高井正彦


東京・霞が関の中央官庁街にほど近い虎ノ門界隈。その一角に立つ「郵政福祉琴平ビル」の5階には、ラジオ体操の音楽が流れるという。

財団法人簡易保険加入者協会。「民営化後、最も天下りが多い郵政ファミリー企業」と2月の政府答弁で判明した。

郵政民営化後、簡保関係の冊子を随意契約で受注してきた出版事業は廃止された。3月いっぱいで、協会が担ってきた簡易保険の団体加入者の保険料集金業務も廃止される。

本業が先細るなかで、協会は数年前から新たな公益事業に取り組み、新しい仕事を創出してきた。それがラジオ体操の支援だ。講師派遣などを通じて少子高齢化時代に健康増進をというのが名目だ。さらに、地域の防犯活動支援などにも意欲を見せる。

いま、ファミリー企業の改革はどうなっているのか。

みんなの党の柿沢未途衆院議員の質問に対する答弁書によると、昨年末時点で、かつて業務縮小・再編を迫られた219法人のうち157法人が存続し、63法人に654人の郵政OBが役職員として所属している。日本郵政グループとの取引総額も1370億円にのぼる。

少子高齢化や電子メールの普及で郵便事業の取扱件数は減少が続くなか、収益源のゆうちょ銀行は4月から定額貯金の金利優遇キャンペーンを初めて実施する。鳩山由紀夫政権は1000万円の預け入れ限度額を大幅に引き上げる見通しだ。郵便局が郵政事業以外の公的サービスに積極的に乗り出す構想もある。

数年前、民主党の「郵政改革調査会」が、貯金限度額の700万円への引き下げや郵貯縮小、簡保廃止の案をまとめたことがウソのような変身ぶりだ。

柿沢議員がいう。

「問題は郵政ばかりではない。鳩山内閣が初めて編成した政府予算案は、過去最悪の借金をしてばらまいた『社会主義』予算だ。国の債務残高は1000兆円の大台が目前に迫り、財政破綻リスクだけが着実に高まっている。そのツケを払うのは子どもたちの世代だ」

ばらまいた末に将来世代に負担させる道筋は、「コンクリートから人へ」の公約からも見てとれるーー。

バックナンバー

アエラ最新号

2012年2月13日号

2012年2月13日号

最新号キーワード

食の信念が揺らぐ 銀行窓販保険の魅力と危険 早慶女子「一般職がいい」 女心の複雑 「脱東電」で電気代26%節約 「驚異の儲け」グリーよ どこへ行く 絢香インタビュー 荻原博子の石巻ルポ 今年の花粉症 AKB48「恋愛で脱退」のルールと戦略 

2012年2月13日号
定価:380円(税込)
表紙:松田翔太/俳優

雑誌を購入

デジタル雑誌を購入

から検索
から検索