2010年03月19日

WSJ部数増の勝因

米国の電子新聞事情

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ジャーナリスト 津山恵子(ニューヨーク)


まず新聞。有料・無料、老舗・新規参入が入り乱れて、全文掲載はすでに当たり前だ。

米経済紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は1995年、「紙とは異なるコンテンツが提供できる」と、電子版を有料でスタートさせた。現在、紙の宅配購読(6日)は週2.99ドル、電子版(7日)は週1.99ドルで、電子版は1ドル安。宅配と電子版両方を購読すると週2.69ドルだ。

米新聞・雑誌発行部数の調査機関ABCによると2009年4─9月、米国の日刊紙平日版は前年同期比10.6%減と激減した。しかし、WSJは宅配・オンライン購読者を合わせて同0.6%増の202万部と、約10年トップだった全国紙USAトゥデー(190万部)をおさえて首位を達成。このうち電子版購読者は過半数とみられ、早くから電子版を開拓した強みをみせた。

07年にはメディア王ルパート・マードックのメディア複合企業ニューズ・コーポレーションが、WSJの親会社である通信社ダウ・ジョーンズを買収合併した。もはや投資対象として魅力を失っている新聞社だが、WSJだけは別格というわけだ。

電子版を有料化していない印刷媒体はこの10年、試行錯誤を繰り返している。ニュースサイトで最も多い読者を抱えるニューヨーク・タイムズ電子版は当初無料でスタートした。その後「論説」など一部を有料化したが、記事数が少なかったため有料化は失敗し、再び無料に。そして11年にまた一部記事を有料化する予定だーー。

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