2010年03月19日

「旅館の革命」で温泉を満喫

休日1日でも「1泊2食」を楽しめる

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ライター 石川美保子


容子さん(35)の夫(38)の仕事は金融関係。毎日帰宅が深夜、土日も出勤もしくは自宅で仕事というハードな生活だ。IT関係の企業に勤める容子さんも、8歳と5歳の2人の子育てと仕事の両立で、ストレスフルな日々を送っている。

そんな折、今年の2月11日の祝日、夫が久々に休みを取れることになった。貴重な休日である。どうせなら、ゆっくりと温泉にでも行きたい。

でも、その日は木曜日で、連休にはならない。たった1日の休みでは日帰り温泉しか無理なのか......と思いながら調べてみると、横浜の自宅からさほど遠くない神奈川県の湯河原温泉で、「ミッドナイトチェックイン」というプランがある旅館を発見した。23時までにチェックインすれば、翌日は21時まで、まる1日、宿でゆっくりできる。これなら、前日の10日、子供たちの学校や幼稚園が終わり、自分も帰宅してから、十分間に合う。夫にも、この日は早めに上がってもらおう。

早速、計画を立て、宿を予約。当日は都内の勤務先を午後6時に退社し、子供たちと合流して軽く食事をし、8時32分横浜発のJR東海道線に乗り込んだ。夫は、東京駅から同じ列車に乗っている。

湯河原に着いたのが午後9時45分。駅からはタクシー数分で宿に到着した。貸し切りの家族風呂もあり、子供たちも温泉に大喜び。隣の部屋で子供たちが寝たころ、夫婦2人で、久しぶりにゆっくりと話もできた。

この時間だけでも、来たかいがあった。つきあっていたころの思い出話、将来のこと、子育てのこと......。話すことがありすぎて、眠ったのは午前2時を回っていた。

何よりうれしいのが翌朝。容子さん一家のプランでは朝食を遅めにすることができるので、10時にしてもらい、部屋で宿の自慢の朝食をいただく。

それから、夕食までの時間は、温泉に入るもよし、部屋でくつろぐもよし、外に出るのもよし。夕食は部屋で旬の海の幸がふんだんに楽しめる懐石。少し早めの午後5時半からで、ワインも開けた。

すっかりいい気分になり、午後8時46分発の電車で帰宅した。

湯河原温泉では、2008年10月から、「仕事帰りの深夜にチェックインする温泉旅行」を始めた。

同温泉旅館協同組合理事長の山本一郎さんは言う。

「土日連休でない生活者が30%以上いるのに、2日連続の休みがないと行けない温泉旅館のままでは生き残れない。そう考えました」

容子さんのような利用をすれば、1日休みがあれば温泉旅館の宿泊を満喫できる。容子さん一家の場合、通常の「1泊2日」より料金は計1万円高いが、その分、宿でくつろげる時間は長い。しかも部屋は2間ある広い部屋。

では、なぜ、これまでこうした多様なサービスができなかったのかーー。

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