2010年05月09日

人気女性DJは69歳

欧州のクラブを席巻

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ジャーナリスト 多賀幹子


まぶしい光とハイテンションな音楽。その中で、視線を一身に集める。ときにブースから身を乗り出し、若い男女の乱舞をあおる。指には、いくつもの大きなリングが輝く。胸のネックレスは、身体を動かすたびに音を立てる。つややかなシルバーヘアにトレードマークの大きなサングラスがよく似合う。

カリスマDJ(ディスクジョッキー)として人気沸騰中の69歳、ルース・フラワーズさんには、世界中のナイトクラブなどからDJとしての出演依頼が殺到する。

英国ブリストル生まれ。父親は厳格な牧師だったが音楽の造詣が深く、家では絶えず楽器が奏でられていた。ピアノ、オルガン、ギター。フラワーズさんは子どものときから先生について声楽を学んだ。やがて結婚、長男を育てながら引っ越しを繰り返し、その間も教会音楽などを歌い続けた。夫の定年後ポルトガルに移住して10年間ほど暮らし、夫の死後、英国に帰国した。

ある日、孫からロンドンのナイトクラブで行われる誕生パーティーに誘われた。勇んで出かけたが、入り口で係員からやんわりと忠告された。

「あなたは楽しめないでしょう」

ディスコに入るには少々年齢が、と思われたらしい。しかしそのくらいではひるまない。

室内ではたちまち強烈な音と光が全身を包んだ。若者たちがすべてを忘れて踊っている。音楽の持つ力を思い出した。なんという居心地の良さだろう。目を輝かせると、孫が問いかけた。

「おばあちゃんもDJになりたいの?」

「なれたらさぞワクワクするでしょうね」

そう答えると、孫は知人を通じてフランス人のプロデューサーを紹介してくれた。彼は、さっそくフランスに渡った彼女に親切に手ほどきをして、彼女がDJに育つのを助けた。機器の操作をマスターするのに時間がかかったが、学ぶ過程のすべてが刺激的だったというーー。

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