2010年07月25日

富士山は「山ガール」のパワースポット

谷亮子だけじゃありません

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編集部 野村昌二 写真 小野庄一


 きつい傾斜の山道を、ヘッドライトの明かりを頼りに一歩一歩踏みしめながら行く。

 時刻は午前3時過ぎ。深夜1時ごろ8合目の山小屋を出発したから、2時間以上がたっている。寒くて、強風が吹き付ける。膝はガクガクで、高山病にもかかったのか少し頭痛がした。それでも歯を食いしばった。

「なんとしても、悪いものを払いたい」

 その一念があるからだ。

 ベンチャー系企業でマーケティングの仕事をしている33歳の女性は、昨年夏、初めて富士山に登った。その2年前、語学留学でオーストラリアへ。そこで年下のイギリス人の彼ができた。1年間の留学期間が終わり日本に帰国してからも遠距離恋愛を続け、結婚の約束も交わした。

 なのに1年後、彼の方から一方的に別れを告げられた。この年は「後厄」でもあった。もしかしたら悪霊に取りつかれたのだろうか──。そんなとき友達から、

「富士山に登ると悪いものが払われるんだって」

 と聞かされた。

 登るしかない! 女友達3人と富士山頂を目指したのだ。

 午前4時、ついに山頂に立った。やがて、あかね色に染まった東の空に太陽が顔を見せると、必死で手を合わせた。

「お願い。どうか私から悪いものを払ってください」

 それから半年。願いが届いたのか今年2月、いまの会社に正社員として就職できた。しかもそこで、新しい彼氏までできたという。

「さすがは富士山、霊験あらたかです」

 とニッコリ振り返る。

 7月1日、富士山は今年も夏の山開きを迎えた。富士山といえば、長く中高年の山というイメージが強かった。今、主役は「山ガール」たちだーー。

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