2008年11月30日

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犬ビジネスの「闇」

流通システムが犬を殺す

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編集部 太田匡彦


◆犬が殺されている

最寄り駅からでも車で15分はかかる、墓地に隣接した土地に、その施設はあった。

中に入ると底冷えがするコンクリートの床。五つに区切られた部屋に、それぞれ十数匹の犬がいた。飼い主に捨てられたり、迷子になったりした犬が収容され、殺処分される施設。部屋の壁は可動式になっている。一番手前の部屋は前日に収容された犬。その一つ奥が前々日に収容された犬。一営業日ごとに壁が動き、犬たちは徐々に奥へと追いやられていく。追い込まれた先に、もう部屋はない。

◆業者が持ちこむ殺処分

環境省によると2006年度、全国の地方自治体に収容された犬は14万2110匹。うち11万2690匹が、新たな飼い主が見つからず、殺処分された。なぜこれほど多くの犬たちが捨てられ、殺されなければいけないのか。

本誌では、実態をつかむため、飼い主が行政機関に犬を捨てる際に提出する「犬の引取申請書」の情報開示請求を主な自治体に行った。そこから浮かび上がったのは、流通システムにひそむ闇の深さだ。

動物保護団体「地球生物会議」の野上ふさ子代表らの協力で分析したところ、ペットショップやブリーダーなど流通業者によると思われる捨て犬は、少なくとも1105匹にのぼった。

野上代表は指摘する。「同じ犬種を数頭まとめて捨てるなど、明らかに業者が持ち込んだとわかる事例が多数ありました。分散して持ち込めば判断は難しいので、今回把握できたのは氷山の一角でしょう」

◆ペット店の悲惨な現実

都内のIT企業で働く男性(29)は06年夏、大手ペット販売チェーンでアルバイトをしていた。明るい照明でこぎれいに見える店頭の裏側、そこに子犬が13匹、段ボールに入れられていた。皮膚病にかかっていたり、店員が誤って骨折させてしまったりして「商品」にならないと見なされた子犬だった。

ふと気付くと段ボールごと子犬がいなくなっていた。男性がベテランのアルバイト女性に尋ねると、こんな答えが返ってきたという。「保健所に持って行った。売れない犬を置いておくより、その分、スペースを空けて新しい犬を入れた方がいい」

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