編集部　野村昌二　写真　高井正彦 　女としての喜びを教えてくれたのは、20年 ...

ライター　斉藤真紀子　イラスト　金子真理 空に星が瞬くころ、あぜ道は暗闇に ...

本誌恋愛取材班　写真　高井正彦 午前２時、パソコンを静かに開く。冷たいキーボー ...

本誌恋愛取材班　編集部　伊東武彦　ライター　斉藤真紀子、角田奈穂子、朴　順梨、 ...

かれの名はダザイくんという。 ジャンガリアンハムスターだ。体長およそ10センチ。 ...

なるほど、わたしはオットを愛している。でも、恋となると話はべつだ。 恋は突如発動 ...

最近、小学2年生の娘が、やたらと画材屋に寄りたがるようになった。どうも漫画家を ...

年の瀬に、私は失恋した。いいなと思っていた12歳年下の男性に、ふられてしまったの ...

昼前の駅前通りはまだ人通りは少なかった。辺りは蒸し暑くなりはじめていて、私の背中 ...

大賀(たいが)と病院で別れてから、2ヶ月が過ぎた。 あれ以降、私は彼の姿を街で見 ...

私と大賀(たいが)は、病院の屋上で、暮れかかる空を二人並んで見つめながら、話をし ...

それから一週間後。 私は丘の上の病院を訪れていた。 　 　 桃奈(ももな)さんの ...

私のマンションまで歩く道すがら、私は大賀(たいが)との会話を頭の中で繰り返してい ...

「食パンくらいしか家にないや。徹夜明けに食べるなんて変だけど、朝ごはんにしてもい ...

その晩、私と大賀(たいが)は、明け方までベッドの中で話をした。 　 　 彼は、服 ...

その夜、私は大賀（たいが）とひとつになった。 　 　 私たちは、酔っていた。 オ ...

人を癒すなんて、難しいですよね、と、大賀（たいが）はさみしそうに笑った。 　 　 ...

「それより温泉は、楽しかった?」 私が水を向けると、彼はまたうなだれた。 「温泉 ...

大賀(たいが)のマンションのチャイムを鳴らすと、コンクリ打ちっぱなしの灰色のおし ...

私は夜の街を歩いていた。 大賀(たいが)の店が休みなのでどこにいったらいいのか、 ...

話すと長くなる、と彼女が言うので、私たちは駅ビルのカフェに入った。 全面ガラス張 ...

水曜日、私は『のんある』の前まで行って、足を止めた。 いつもなら温かく灯っている ...

日曜日の昼間なので、丘の上の病院に向かうバスには見舞い客らしき人が十人以上乗り込 ...

次の日曜日、私はどこに行くあてもないのに、朝からただ、町の中を、ぐるぐると回って ...

大賀(たいが)の部屋を訪れてから1週間で、私の生活はだいぶ変化していった。 　 ...

「......困るよね。幸せだったか？　なんて突っ込んだ質問されたら。ごめんね」 ...

大賀(たいが)の太ももには、意外なほど肉がついていた。 　 　 それは贅肉ではな ...

　その夜、私は大賀（たいが）の部屋に行った。 「これなら苑花（そのか）さんが食べ ...

私と大賀（たいが）は、その日、明け方までたくさんの話をした。彼は、カウンターの隣 ...

その夜、私はずいぶん長い時間、大賀（たいが）と二人だけで店で過ごした。 　 　 ...

彼女の強さに私は驚いていた。 「不安とか、なかったですか？」 「あったわよ。彼に ...

横山さんは、５分ほどトイレにこもった後、口元をピンク色のハンカチで押さえながら、 ...

私の目の前に差し出されたのは、懐かしい香ばしさが漂う濃いオレンジ色のドリンクだっ ...

『のんある』に行ったのは、10日ぶりだった。 店のドアを開けても、大賀（たいが） ...

漢方の不快感は、丸3日も私の体から抜けなかった。少しずつ悪寒(おかん)が取れてい ...

その日の夜、私は眠れなかった。 不安やストレスのせいではない。 激しい悪寒(おか ...

翌日、私は漢方薬局のおじいさんに不満を訴えた。 「全然良くならないんです」 ほん ...

春の嵐から、2週間が経った。 最初の1週間は、大きな変化はなかった。 私は『のん ...

窓を、雨と風が叩きつけている。 春の嵐にしては少し、今夜は激しかった。 　 　 ...

桃奈と僕は、大学時代の同級生なんです。お互いに住んでいるアパートが近かったせいも ...

大賀は、いつもやっているのだろう、ごく自然に彼女の隣に腰掛け、 「今日は、苑花 ...

大賀は、覚えていてくれたのだ。 私が彼に、ねだっていたこと。 　 　 「私は映画 ...

母を送り、駅を出た時に降り出した雨は、私のアパートに着く頃には、雷を伴い始めて ...

電車の窓から、母は、私を心配そうに見つめていた。私は彼女のその表情に気づかない ...

週末、私は、お祓（はら）いをされていた。 目の前では護摩（ごま）をくべ続けてい ...

私が抱いた疑いは、すぐに晴れた。 「彼の写真見る？」 と横山さんがケータイを差し ...

横山さんはびっくりしたような顔で、あやまってきた。 「ごめんなさいね、つい、暗い ...

「ガンだったの」 柔らかい声でなんてことなさそうに横山さんが発したけれど、それ ...

彼女の苛立ちはかなりのものだったらしく、帰りがけには、 「今度は私とも映画に行 ...

春にしては気温が高めな、半袖でも平気なくらいの日に、私は『のんある』の扉を開け ...

頭にかっと血が昇った。 「僕、何も食べなくても生きている人を知ってますから」 だ ...

「なんで、そんなこと、言うの?」 私はびっくりして彼に尋ねた。若くて結婚もまだし ...

二人で向かい合ってお茶をしていると、自分はごくごく普通の生活ができているかのよう ...

映画館の前には、大賀が先に到着し、ガラス張りの壁にもたれながら、ケータイをいじっ ...

私は少しずつ、前を向こうとしていた。 毎朝晩、漢方を飲み続けようと思うようになっ ...

ドアについていた、小さな鐘の形をしたチャイムが柔らかな音を立て、それを聞いた誰 ...

私はシャワールームにふらふらと歩いていった。何日も食べていないくせに、足下も寝起 ...

翌朝、目を覚ました私は、胸の辺りがスウスウするのを感じた。 　 　 計6つも、 ...

大賀の顔は、間近で見ても、どこか思慮深げで、瞳の色には深みがあった。 　 　 前 ...

大賀が出してくれたのは、バラの花びらが浮かんだハーブティーだった。乾燥させた花び ...

ドアを開けた途端、その場の空気が、ふわっと私を包み込んだ。懐かしいような、甘っ ...

ハリの先生が指差してきたのは、私の胸と胸の真ん中だった。 　 　 「ここに、い ...

その翌週、私は、鍼灸師のところにいた。 以前、友だちがメールで教えてくれた先生の ...

あなたが飢えているように見えたから、などと大賀が言うものだから、私は驚いて黙って ...

食欲というものを失ってしまって以来、飲み物に関しても、私はとても敏感になっている ...

『のんある』にようこそ！ 　 　 『のんある』は、その名のとおり、アルコールなし ...

　 　 私は食欲を失った。 飲みものは通るのに、少しでも固形分があると、それは ...

　 　 ある朝のこと、目覚めると私は、どんな食べ物も受けつけない身体になっていた ...