演技論は嫌いなんですよ

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演技論は嫌いなんですよ

2011年04月24日

演技論は嫌いなんですよ

研究者＋バーテンダー＋「プロ意識」＝向井理

編集部　福井洋平

　女子が理想とする男性像を具現化したら、きっとこんなふうになるんだろう。

　向井理、29歳。「おさむ」という名前の読み方も、この１年で完全に定着した。

　10年はＮＨＫ朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で漫画家・水木しげる役に挑んだ。初回の視聴率は朝ドラ史上最低。それを20％超に押し上げて、知名度と役者としての評価を飛躍的に高めた。

　今年は、６月公開の映画「Paradise Kiss」（パラキス）でヒロインの女子高生をモデルの世界に引き込む女好きの天才デザイナーを演じる一方、ＮＨＫ大河ドラマ「江」には江の夫となる徳川幕府２代将軍秀忠役で出演する。

　隻腕の漫画家、寡黙な金髪ベーシスト（映画「BECK」）、そして遊び人......。外見はアイドルチックで、芸歴も６年目とそう長くない。にもかかわらず、幅広い役柄を引き寄せる「引力」の源は何なのか。

「それはまったくわからないですね。なぜでしょうね......一つひとつの仕事の積み重ねでこうなっている、というのは実感していますけど」

　改めて、異色の経歴だ。

　明治大学農学部で遺伝子工学を専攻。国際学会の国際動物遺伝学会議（04年）で賞を取った。だが「研究者としてはこれが限界かなと思い」、大学時代にアルバイトしていた飲食店で他店からのヘッドハンティングを受けてバーテンダーに。店を一軒まかされた。

　芸能界入りを決めたのは、雑誌で彼を知り、会いに来た前マネジャーに口説かれたからだーー。

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