2008年06月30日

2人目はもう産めない

母親だけが苦しむ

◆仕事をしながらの子育ては1人が限界

咲子さん(40)は専門職の公務員。小学生の一人娘を迎えるために定時かっきりに退社するため、残った仕事は持ち帰らざるを得ない。9時より早く帰る日がない夫には、共働きの自覚はあまりない。戦力としてはとっくに諦めた。

帰宅後は家事を終え、持ちかえった仕事に取りかかる。週末に徹夜で仕上げないとどんどんたまっていく。
上司から昇格試験の受験を促されているが、聞き流している。今でさえ手いっぱいなのに、これ以上無理だ。
「家庭を守りながら専門職としてやり甲斐のある仕事を全うする。今のままが私にとってはいいバランスなんです。」
夫婦ともに3人きょうだいで育った。結婚当初は子どもは3人ほどほしいね、と話していたが、いつのまにか2人目すら考えなくなった。

◆年収高いほど生まず

明治安田生活福祉研究所の調査によると、世帯年収が高い夫婦ほど子どもを生んでいなかった。

妻が正社員の共働きの場合、世帯年収の約4割が妻の収入。妻が出産や育児で退職、またはパートに転職する場合、「出ていく」だけでなく「入ってこない」お金、いわゆる「逸失所得」も子育てにかかるお金といえる。大卒の正社員女性が出産退職して6年後にパート・アルバイトで再就職した場合、「逸失所得」は2億7000万円と試算されている。だからなのか、もう子どもがほしくないと思う夫婦のほうが、ほしい夫婦より年収が高い。

ある派遣社員の女性(33)は2人目を生まない理由をこう話す。

「育児とのバランスをとるために正社員を辞め、引きかえに年収が下がった。でも子どもの習い事や塾にはお金がかかる。もうこれ以上、生活レベルを落とせないんです」

◆子どもには全身全霊をかけたい

アメリカ人の夫と国際結婚して専業主婦となった里美さん(40)は、いつも娘中心の生活だと息が詰まることもあるという。主婦なのにと気が引けて、ベビーシッターに預けたことは一度もない。

「子育てするからには全身全霊をかけたいけど、毎日毎日、母親に責任が重くのしかかる。気持ちに余裕がないんです」

子どもの数が増えると男性は生活満足度が上がるが、女性は逆に下がる、という調査結果もある。

「女性のほうが子育てに心理的、肉体的、時間的なコストを多く支払っているため、子どもが増えることにストレスを感じる。子どもの教育に家庭環境が重要だと考える女性ほど、ストレスは強くなります」


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