東日本「放射能」マップ

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東日本「放射能」マップ

2011年07月03日

東日本「放射能」マップ

266市区町村が一目で　ホットスポットも詳細

編集部　岩田智博、野村昌二、田村栄治

「レベル７」という史上最悪の事態に陥ったにもかかわらず、震災からしばらくは、各都県の限られた地点でしか行われていなかった大気中の放射線量の測定。それが、このところ急速に広がっている。

　上の地図は、そうした自治体の測定値の中で、できるだけ直近の値を掲載した。おおむね６月中・下旬の値だ。一つの市区町村で測定地点が複数ある場合は最も高い数値を掲載し、線量によって10段階に色分けした。

　使用する線量計や測定方法も異なるため、「あくまで参考数値」という位置付けの自治体が多いが、それでも全体像は捉えることができる。まずわかるのが、台風の目のような二つの「渦」ができている様子だ。

　一つは当然ながら、福島第一原発（１Ｆ）の周辺だが、この地域の中でも局地的に線量の高い場所が点在する。

　例えば、福島県南相馬市。文部科学省が毎日集計しているモニタリングポストの測定値では、市の中心部、原町区の４地点のうち、１Ｆに最も近い高大豆柄内地区（１Ｆから21キロ北）の数値はおおむね毎時0.3〜0.4マイクロシーベルトだ。

　しかし、市の測定の最高値は、１Ｆから30.8キロ北の原町区大原で、毎時3.45マイクロシーベルト（６月25日）。毎時2.28マイクロシーベルトを超えると、政府が避難区域の基準としている年間の積算値で20ミリシーべルトを上回る。大原は年換算でこの基準を10ミリシーベルトも上回ることになる。市内にはこのように同じ地域でも局地的に線量の高い地点が存在する。25日の市の測定では、ほかに５地点で基準をオーバーした。

　風向きの関係で他の20〜30キロ圏内より放射線量が低い、と言われている南相馬市は、市内が立ち入り禁止の「警戒区域」と、「計画的避難区域」「緊急時避難準備区域」、そして、特に何も指定のない４区域が混在する。その上で、差し当たり避難の必要がない区域でも、前出のように局地的に高レベルの汚染地点が点在するーー。

岩田智博 , 放射線 , 田村栄治 , 福島第一原発 , 野村昌二