2009年04月05日

  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • このエントリをLivedoor クリップに追加
  • Buzzurlにブックマーク

隔週木曜日は「捨て犬の日」

行政と流通が身勝手飼い主を生む

20090413_s_2.jpg

編集部 太田匡彦 (記者から記事について)


◆定時定点収集

2月中旬の木曜日、茨城県内のある自治体庁舎の駐車場に、その犬は50歳前後の女性にひかれてやってきた。名前はベル、オスの雑種だという。いつもと変わらぬ散歩だと思うのか、茶色いしっぽを振って女性に寄り添うように歩く。だが、その先に待ち受けていたのは「捨て犬収集車」だった。

隔週の木曜日、決められた時間帯、この駐車場には捨てられる犬とその飼い主が集まってくる。時には行列もできる。茨城県による捨て犬の定時定点収集が行われているからだ。

定時定点収集とは、自治体が犬猫を捨てていい場所と日時を定め、それにあわせて飼い主が捨てに来る犬猫を、収集車が巡回して集める制度のこと。茨城県の場合、42カ所の「捨て犬場」があり、捨て犬が多い地域では隔週、それ以外は月に1度、「捨て犬の日」が設けられている。

◆殺処分機で10分、絶命

飼い主に捨てられた犬にはどんな運命が待っているのか。東日本のある自治体で、殺処分の様子を取材した。午前9時30分、いつものように犬舎の壁が動き始め、この日は柴犬やビーグルなど9匹の犬が殺処分機に追い込まれた。処分機の広さは約3立方メートル。うっすらと明かりがともっている。そのなかを、犬たちは所在なげにうろうろとし、何匹かは側面にある小窓から、外の様子をうかがう。

処分機の入り口が閉じられると、すぐに二酸化炭素の注入が始まる。犬たちはまずガタガタと震え、息づかいが荒くなる。処分機上部に取り付けられた二酸化炭素の濃度を示すメーターの数値が上がっていくと、苦しいのだろう、次第に頭が下がってくる。1分もすると、ほとんどの犬は立っていられなくなり、ゆっくりと折り重なるように倒れていく。

恐らく、自分の身の上に何が起きたのか、理解できた犬はいなかっただろう。なぜ、自分がこんな目に遭うのか、わからないまま死んでいったのだろう。殺された犬たちのほとんどが、飼い主側の事情によって捨てられたのだから。

こうして2007年度には、全国で12万9937匹の犬が地方自治体に引き取られ、うち9万8556匹が殺された。犬たちはなぜ捨てられ、殺されなければいけないのか。

本誌2008年12月8日号「犬ビジネスの『闇』」ではペットショップやブリーダーによる遺棄の実態を明らかにしたが、今回は一般の飼い主たちによる遺棄の背景に迫るーー。

バックナンバー

アエラ最新号

2010年9月6日号

最新号キーワード

1ドル60円時代 草食系投信 女とお墓 MJ秘話 小沢 野田聖子 AKB48 村上春樹 ミスチル 水泳・北島 梨元勝 ロシア×核

2010年9月6日号
定価:380円(税込)
表紙:AKB48/アイドルグループ

雑誌を購入

デジタル雑誌を購入

から検索
から検索